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バチンッ!!
千夢が打った球はネットの白帯に当たると大きな音が響いた。
ボールはネットを越えることなくコートに転がった。
千夢:「ハァハァハァっ!
……ちっくしょーー!!」
千夢は叫ぶと仰向けに大の字に倒れた。
一:「……マジ、かよ?」
一は驚いた顔でボソッ、と呟く。
いや、驚いたのは一だけじゃなく見ていた部員全員だった。
千夢が最後に見せたあの加速。
見間違いでなければ、神崎のスピードと大差がなかったのだった。
神崎:「ゼェゼェゼェ、っ!?
ど、どうやって……?」
ランニングで体力を使い果たした神崎も自分の目を疑っていた。
疲れきった中、神崎は必死に今見た千夢の動きを頭の中で思い出す。
明らかに間に合わない球。
必死に腕を伸ばし走る千夢。
そして、
膝の屈伸。
神崎:「……!!
そうか、それがあった!」
神崎は何か思いついたらしく笑みを浮かべた。
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