26人が本棚に入れています
本棚に追加
[やめてよ!ねぇ!]
高橋は必死になって叫んだ。
[殺す!殺すよ!ころしてやる]
[なんでだよ!]
その途端にドカンと破裂するような大きな音がドアでした。
明らかにドアに何かを叩きつけた音だった。
音は二度、三度すると女のわめき声が遠ざかっていった。
ドアスコープから覗く女の姿は既になかった。
代わりに女の悲鳴と男の怒鳴り声が始まった。
[それでまた見に行くと……]
女の父親が娘を路上に叩き付けていた。
[それも髪の毛を持って何度も何度も地面に顔面からぶつけてるんです]
丁度、高橋の部屋の真正面で女の顔は引き上げられた。
[赤い顔がだんだん腐ったトマトのように潰れていったんです]
男は女を引きずり回し、髪の毛を毟り、腹や背中を踏み付けた。
最初のコメントを投稿しよう!