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そして殴り、蹴る度に何事かを怒鳴り続けた。
[要は、いつもいつもおまえは!とか、死ぬなら死ねとか、甘えやがってみたいなことを叫んでたんです] やがて女は血塗れになって動かなくなった。
父親は女の髪の毛をグイと鷲掴みにするとそのまま家のなかまで引きずり込んで行ってしまった。
[それから女の姿は全く見なくなっちゃったんですよね。もう家の外に出させないんだろうなぁって思ってました]
ところが……。
それから三月ほど経った頃、高橋がやはり夜遅くなって戻ると、じゃら……じゃらりと鎖の鳴る音が近くでした。
驚いて見ると髪の毛がひよこのようになった女が自宅の門のところに座り込んでいた。
[すっごいビックリしました]
女は顔が変わっていた。すり減り、崩れ、瘤のようになっていた。
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