開戦

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東京・首相官邸―― 仲谷は記者会見を終え、情報の収集・整理に努めていた。そこに榎本から連絡がはいる。 「首相、北朝鮮籍の工作員を拘束しました!」 「そうか、北朝鮮の反応は?」 「今のところありませんね。どうしますか?」 「すぐに文書を送ってくれ、拉致問題と先のミサイルの件も改めて非難した上でな。それと会見の準備だ。国民を安心させねば。」 「分かりました。すぐに外務大臣に委託します。」 数時間後―― 仲谷は会見を開いた 「先日の爆破テロの犯人が特定されました。この犯人は北朝鮮籍の特殊工作員だそうです。たった今北朝鮮へ抗議文書を送ったところであります。」 会場が一気にざわつく。一人の記者が質問した。 「総理、多数の方が犠牲になったこの事件ですが、抗議文だけで済ませるのでしょうか?」 「まだ北朝鮮側の返答がないのでなんとも言えませんが、憲法改正によりこちらは報復攻撃ができる状態であると言えましょう。」 この発言は明日以降波紋を呼びそうだが仲谷は会見を終了し、会見場を後にした。隣で榎本が報告した。 「総理、北朝鮮から返答がありました。『今回の事件には多くの犠牲を出し、誠に遺憾です。なお、先のミサイル問題、拉致問題をこの場では出すべきではないでしょう。』だそうです。」 「とするとテロへの関与も否定はしていないのだな?」 「まぁ、直接的にはしてないですね・・・」 「よし、航空自衛隊へ連絡。北朝鮮の弾道ミサイル基地を空爆させろ!!」
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