いつもの日常

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いつもの日常

父との二人生活に馴れ初めた頃、母の退院が決まった。 母の退院の日が近付くのは遠足の日が近付いてソワソワする感覚に似ている。 母が帰ってきたら、また毎日何かしらで小言を言われそうだが、それさえも待ち遠しく嬉しかった。 退院の日、学校から足早に帰ると家の窓が換気の為、開いているのを見て、母の帰宅が分かると 「お母さん、ただいま~」 と自分の帰りが分かる様に大きく帰りを告げた。 「お帰り~」 聞き慣れた声が奥の部屋から聞こえる その部屋に向かうと、洗濯物を畳んでいる母がいた。 見慣れた光景だが、母が居る事が嬉しく、洗濯物を畳み終わるまで私もその場を動かずジッと見ていると 「ほれっ早く着替えて宿題やりなさい!」 と母に言われ渋々と部屋に戻った。
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