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5 奇妙な隣人の正体
「ほんで、三条君は何でわいを付け回しとったんや?わいはそんな趣味はあらへんで?ストーカーされても想いには応えられへん」
コンビニからの帰り道、笑えない遠橋の冗談に俺は顔をひきつらせた。
「俺の写真が何に使われてるのか、気になったから・・・」
震える声で、本音を言う。
遠橋はああ、と納得したような声を上げた。
「なんや、てっきり他の奴に聞いて知っとるとおもてたわ。えらい素直に写真くれるから」
「え・・・?」
「わい、こう見えても霊媒師なんやで」
思っていたのと、違う路線で怪しい職業だった。
「ただ、霊が見えへん」
「はあ!?」
それで、霊媒師・・・?
「でもな、一回その霊の姿を認識したら見えるようになるねん。話もできるようになる」
「はあ・・・」
よく、分からない。
「よくあるやろ、問題やっとって、そのままやったら全然分からへんのにヒントもろたら解けること」
「ああ」
その例えでピンときた。
「せやからな、自分の心霊写真見て、めっちゃ嬉しなったよ」
遠橋は本当に嬉しそうに笑った。
写真に残しておきたいぐらいに。
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