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てくてくてくてく‥。
広過ぎる校舎を歩いていると、大きな鐘の音が鳴りはじめた。
『まさか‥』
つけていた腕時計を見るととっくにオリエンテーションの時間になっている。
『はぁぁ‥』
黙って彼についていればよかった‥そう思った時、近くで足音が聞こえた。
「あれ?どうしたの?迷子チャン?」
『‥!?!』
びっくりした。
足音は前ではなく後ろで、驚いたのは凄く可愛い子だったから。
きょとんと私を見る目は大きくて、髪はサラサラのブロンド。背は私ぐらいかな?
でも高級感を纏った人だ。
「どうしたの?具合悪いの?」
『いえ‥あの‥迷子になってしまって‥』
こんな可愛い子に恥かしい‥と思いつつ、コトの事情を説明した。
「‥‥‥そっか☆迷子チャンなら僕が連れてってあげるよ!」
ニコッと笑う顔もまた可愛い‥。
『あ‥ありがとう御座います!‥って僕!?』
咄嗟の事で過剰に驚いてしまった。
大きな廊下に響く私の声。
「そだよー♪」
確かによく見るとスボンで、声は中性的だけど男の子だと知るとそうにしか見えない。
「煌乃 准♪1年生だよー。あっ1年だけど、ここの建築に携わったから詳しいよ☆」
『あっあの、藤宮 ひなです‥同じ1年です!』
「そっかー宜しく、ひなチャン♪」
ニコッと左手を差し出されたので握ってみると、
「あげる♪」
手のひらに飴玉。
『ありがとう///』
そのまま准くんに連れられて、教室に向かった。
この光景を他の人にも見られてるとは知らずに‥。
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