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あの後の事は覚えてない。
久し振りに本気で怒鳴った事以外‥。
とりあえず自分の部屋に入り気持ちを落ち着けた。
『一応高校には行けるんだから‥』
そう思うのに必死だった。
その時
「ピンポーン、宅配便でーす」
なぜこんな時間に‥。
まだ家族は晩ご飯を食べているだろうと思い、玄関へ行った。
『ご苦労様です‥』
渡された荷物はだいぶ大きく、そして重い。
『誰のだよ‥』
今日は悪い事だらけ、こんな些細な事でも悲しくなる。
しかし荷物の宛名を見ると私宛だ。
『?』
覚えのない荷物。
送り主の名前はなく、少し気味が悪かったが空けて中を見た。
中にはどこかの制服らしき物と本が手紙と一緒に入っていた。
四つ葉のシールで封をしてある手紙を読んでみる。
『私立四ツ葉学院にトップ成績の入学おめでとうございますー‥!?
はい!?
つきましては学校で必要な荷物を贈らせて頂きます。
制服は特注品ですので、くれぐれも大事に扱い下さい。制服の着方や校則は中にあります本をご参考になさって下さい。』
なんだこれは‥
試験も受けてないのに、成績トップっておかしい‥。
しかしこの手紙は続きがあった。
『‥‥貴方はこれから学院の姫になるわけですが、くれぐれも簡単に他の男へ王子の座を与えないように。
貴方の王子は私だけなんですからね。
一條 晃仁』
‥意味が分からない手紙だと言う事はよく分かった。
少し考えて、箱の中に学校の写真が表紙の本を見つけた。
パラパラとめくり中を見る。
『凄い綺麗な学校‥』
建物も教室も、全てどこかのホテルを思わせる造り。
自分がもう時期ここへ通うのかと思うと少し楽しみになった。
『あっ、場所は‥』
肝心の学校所在地を調べようと思い、パラパラページをめくった。
その間にも目に入る綺麗な校舎にうっとりしていると、見つける。
『‥げっ1時間以上かかるのか』
はぁ‥と溜め息をつき、気付いたら寝てしまった。
これから起きる学校生活をまだ予測もしていなかった。
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