王子候補、一條晃仁

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「お早う御座います、藤宮ひな様」 『‥はい!?』 玄関のドアを開けた目の前には、真っ黒の外車。 その隣りに運転手らしき人が立っている。 そして目の前には白い服を着た長身の男性‥ 「初めましてひな様。私、一條晃仁と申します」 そう言い、顔をあげる少年は見た事ないぐらいの美形で思わず息をのんだ。 白い肌に茶色の髪。 ニコッと笑うその顔は、綺麗過ぎて思わずドキドキする表情。 そんな私に気付いてか、彼はクスッと笑い膝をついて私の手の甲にキスをした。 『!///』 「遅刻しますよ?」 『‥えっ!!?//』 ‥いけない。 この人に見入って目的を忘れるところだった。ふぅ‥と一息吐くと彼が話出す。 「行きましょうか」 『?』 「どうぞ、姫」 そう言い笑顔で私の腕を引き、車に乗せるとゆっくり走り出す。 ダメだ‥ 状況についていけない‥ そういえばさっきの名前どこかで‥ 沈黙が続く車の中、彼が話出す。 「制服はお気に召されましたか?」 『えっ!?あっ‥はい』 緊張のあまり声が小さくなる‥。 そうだ。この人、手紙の最後に書いてあった名前の人だ。 「ひな様に喜んで頂き光栄です」 そう笑う彼の顔は何度見てもどきどきする。 『あの‥その"様"って言うの止めてください‥//』 「ではなんて呼べばよろしいですか?」 真剣な顔をしてこっちを見る彼はやっぱり綺麗過ぎて、思わず顔を背ける。 『ひな‥でいいです‥//』 「では私も晃と読んで下さい」 そう言い私の頬にキスをする。 あまりの急さに顔を真っ赤にして驚く私、自分の経験のなさに恥かしい。 『‥///』 「ひなは可愛いですね」 そう言い彼はぐっと私の顔を持ち上げ、思わず目が合う。 少し青がかった瞳は思わず吸い込まれそうな程。 「口にもしていいですか?」 .
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