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ぐいっと顔を近付けられ、あと数センチのところで止まる。
目の前には真剣な瞳。
『‥分かった。教えてくれたら何でも言う事聞く』
「本当だな?」
『‥ん』
私はこくりと頷く。
そんな私を見て彼は、深く座りなおし話出した。
話はこうだ。
私が入学した学校は成績やこっそり調べた日常生活で総合点をつけ、一番高い点数の女子を姫と呼び特別待遇で入学させる。
そして男子。こちらも同じ方法で総合点をつけ、上位5名が王子候補になる。
そして姫と王子候補が結ばれた時、王子候補は王子となるが色々な障害が待ちうけている。
その一つがさっき話した【姫争奪大会】。そんな難関を何度も乗り越え、無事一年が過ぎれば凄い事が起きると言う‥‥‥。
静かに話を聞いていた私だか一つ疑問に思い問い掛けた。
『凄い事ってなに‥?』
「それがな、今まで一年間もった2人がいなくて謎なんだよな‥」
『えぇ!?』
「ただ、姫や王子候補になるだけで凄い事だ。年間の学費は払わなくてもいいし、なにしろ金持ちや権力者ばかりの学院だ。名前が売れて損はない」
『へぇ‥』
とりあえず、学費がかからないと言う事は凄く嬉しい。
あれ‥?でも待てよ?
『‥その王子って、どうやったら決まるの?』
おそるおそる聞く私に、彼はさらりと答える。
「最初はひなとキスすればいいんだよ?」
『‥王子になりたいんだ』
「俺も金持ちの息子なもんでねー。さっ、全部話したからひな‥」
ぐっと私の肩を掴む。
「何でも言う事聞くんだよね?」
そう言い彼は、顔を近付けてくる。
約束だからしょうがないと思った私だが、ある意味深な言葉を思い出した。
『‥まって!最初はって何!?』
「ん?」
その言葉に彼はニヤッと笑い、顔は天使だが悪魔のようなセリフを吐いた。
「最後はひなを激しく抱いてあげるよ」
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