心、一人の少女

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時計を確認すると六時を指していた。俺はゆっくりと体を起こす。 まだ予定まで一時間はあるけど早めに行ってて損はないだろう。 俺は即座に準備を完了させて家を飛び出た。 ちなみに母さんは今日一日家を留守にしている。縛られることはないんだ。 杏里さんの家までそこまで距離はない。さっさと歩いてしまおう。 「おい」 後ろから女の声が聞こえた。俺は関係ないよな。 「おい、下僕」 おー、下僕って呼ばれてる人がいるのか。可哀想……… 「聞いてるのか、下僕」 「ぬあっ、澪!?」 突然目の前に澪が俺の前に現れた。不機嫌そうな顔は相変わらず。 「お前、主人を無視するとはいい度胸だな」 「誰が主人だ!」 「私が主人、お前は下僕。これは決定事項ではないか」 屁理屈だ。
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