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「みんないらっしゃーい」
杏里さんが満面の笑みで姿を現した。
エプロン着用で。
「やっほー杏里、これが私の妹」
「どうも、私お姉の妹の澪子です。よろしくお願いします」
澪が頭を下げてうっすらと笑った。
………ん?
「琉李子さん、琉李子さん」
「どうしたんだ少年?」
小声で琉李子さんに話しかける。
「澪の奴笑ったじゃないですか」
「ん? ああ、そうだな。実は私自身も澪子の笑顔を見たことが無かったんだけど」
なんと、まさに異例の珍事態。その笑顔をしてればかわいいのに。
「うんっ、よろしくね澪子ちゃん」
さすがは杏里さん、初対面の人でもすぐに仲良くなれる。
「上がって上がって、あとちょっとで完成なんだよ」
「杏里さん、まさか火をつけっぱなしとかないですよね?」
「………あっ、いけない!」
疾風のごとく家の中に戻っていった。ちょっとしたおドジさん?
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