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「………っ! 下僕」
その真っ白で綺麗な手は澪のものだった。反射的に手を引いてしまう。
「なんだ、食べるの早いじゃないか」
「うるさいな、下僕は黙ってろ」
ペットから下僕に戻ってる。また悲しい日々が始まってしまうのか。
「少年、澪子はカレーが大好物なんだ。一日三食カレーでも別にオッケーな」
「お姉っ!」
顔を真っ赤にして琉李子さんにいつもと変わらない表情を見せる。
なんだ、結構かわいい奴じゃん。
「いい機会だ、どっちがたくさんカレーを食べれるか勝負しないか?」
「勝負だと?」
澪が俺を睨んでくる。
「ああ、カレーの大食い対決だ。俺が勝ったらちゃんと名前で呼んでもらうからな」
「ふんっ、私をなめるなよ。お前が負けたら私に一生服従だからな」
俺と澪の視線が重なり合い火花が散る。激戦の予感だ。
「それじゃいくぜ」
「上等だ」
カレー大食い対決、スタート。
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