心、一人の少女

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「杏里さん?」 状況変わらず。俺一人の沈黙が広がる。 とりあえず揺すってみた。反応なし。寝てるのかな? 杏里さんを運ぶわけにもいかないし不本意ながらもバスタオルを借りることにした。 このまま寝てて風邪になってもらったら困るし。 杏里さんを横にしてバスタオルを掛けようと体を前かがみにした瞬間、 ガバッ 「なっ!?」 「にゃらー、裕君を捕まえちゃったぁ」 急に目が開いたと思うと首に手を回された。 そして前かがみになっていたため、その勢いで体ごと持っていかれる。 吐息のかかる距離、まさにゼロ距離でなんとか踏み止まった。 「………裕くぅん」 目が虚ろだ。焦点が合っていないのか? 状況確認。現在家には俺と杏里さんの二人きり。端から見れば俺が押し倒してるようにも見える。 どこのエロゲ?
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