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「裕くん捕まえらぁ」
「ちょ、ちょっと杏里さん!?」
把握できない内に杏里さんに抱きつかれた。急なことで思考が回らない。
普段は力が弱いはずの杏里さんの手に力がこもる。なかなか振りほどけない。
やべぇ、こっちまで酔っ払ってきそうだ。頭がくらくらする。
「裕くぅん………」
「待っ、うわっ!」
何かにつまづいたらしく俺は大きくバランスを崩した。この状態では身動きが取れない。
ドサッ
上手い具合いにソファに着地した。
しかし杏里さんが上、俺が下。まさに絶対絶命。
「へへぇ、もう逃げりゃれにゃいんらよぉ」
もはや舌すら上手く回っていない。酔っ払いって怖いよ。
「杏里さん、大丈夫ですか!?」
「裕くぅん、僕はいつらって大丈夫らよぉ」
絶対大丈夫じゃねぇ!
「裕くん、ちゅー」
酒臭い杏里さんの顔が近付いてきた。逃げられねぇ。
チュッ
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