心、一人の少女

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「っ、うわぁ!」 「にゃは、裕くんとちゅうしちゃったぁ」 驚いた。酔っ払っているとはいえまさか杏里さんがこんな行動に出てくるとは。 意外にもキスをしてしまったのはこれが初めて。つまりファーストキス。 相手は酔っ払い杏里さん。 「裕くぅん、もっとしようよぉ」 なんだこれは、誰だこの人は? もはや俺の知っている杏里さんではない。人間って泥酔状態になったら全員こんなのになるのかな? 「裕くん、僕は裕くんがらいひゅきらよぉ」 かつぜつが悪いため何を言っているか分からない。 自然と言葉が出ているのだろう。 すると杏里さんは力なく俺の上に倒れ込んだ。 「杏里さん?」 「………すーすー」 豊かな寝息を立てて眠りに入ったみたいだ。杏里さんの暴走はここで終了。 いや、しかし臭い。
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