花火、思い出の場所

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式からHRと移り前期の生活は終了した。 家に帰れば母さんに成績の悪さについて滅多打ちにされてしまう。 こりゃ家に帰るのが憂鬱だぜ。 「裕ちゃん、やっと夏休みだね」 紫音が俺の横にやってきた。ふっ、俺が気を落としてるとも知らないでこんな笑顔を見せるとはな。 「そうだな、やっと勉強から解放されるわけだ」 「宿題はちゃんと出てるけどね。裕ちゃん、今日の夜空いてる?」 俺は足を止めた。 「夜か? 暇っちゃあ暇だけど」 「あのね、お母さんが花火をたくさん貰ってきたの。だから皆でやろうと思ってね」 花火か。夏の風物詩だな。 「分かった、行くよ」 「さすが裕ちゃん。それじゃ八時にいつもの河原に集合だからね」 ふっふっふ、今日の夜は楽しめそうだ。
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