花火、思い出の場所

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特に何事もなく時間だけが過ぎた。 とりあえず晩飯をさっさと平らげて家を出た。 集合場所の河原はかつて俺と紫音と杏里さんでよく遊んだ場所。 水遊びが主な遊びだった。当時の俺は紫音や杏里さんによく水をかけられては泣いていたものだ。 今思えば恥ずかしい記憶。なぜ泣いたのかもよく分からない。 考える内に河原に到着した。 そこには若干暗くて見にくいが三人の影が見えた。 「あっ、裕ちゃん!」 まずは紫音。これ以上ない笑顔で近付いてきた。 「裕君遅いよぉ、僕を待たせたらヤなんだからね」 「こんばんは裕大君」 杏里さんと沙里さんもいた。この家族が勢揃いというわけだ。 「すみません杏里さん、でも八時って聞いてたから」 「ふふふ、レディーより早く来るのが裕君でしょ?」 なんじゃそら。
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