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「紫音、杏里さんおかしくないか?」
「うん、お姉ちゃんは花火をする時になるとスーパーハイテンションになっちゃうの」
知らなかった。また以前みたいな違う杏里さんを見てるようだ。
「こうなったらお姉ちゃんは誰にも止められないよ」
おいおい、暴れ出した野獣みたいに言うなよ。
「まぁ俺達も早くやってしまうか」
「そうだね」
俺も花火に手をかけて点火した。
俺のは赤い炎を帯ながら燃えた。まさに「火」そのものだった。
シュゴーと音を立てながら燃え続ける。小さい花火とはいえその炎は俺には大きいものに見えた。
いつまでも燃えて明かりを消さない。そんな心を持てたらいいと思ったりしてみる。
しかし花火にも寿命はある。元気を無くして、ついには消えた。
当然のことなんだけどなんだか儚いな。
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