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「すごいすごーい」
しみじみと花火について考えた俺とは正反対に杏里さんが次から次へと花火を使用していく。
なんと五本同時という荒業まで見せつけてきた。
「裕君見て、とってもカラフルだよ」
確かに色だけを見れば様々な色が混ざり合ってまるで虹を見させてもらうようだった。
しかし、しかしですね………
「ちょっ、危ないですよ杏里さん!」
「どうだー、参ったかー!」
その五本のハイパー花火を俺に向けて近付いてくるのだ。
たとえ花火でも炎。肌に触れたら火傷は絶対に避けられない。
「裕君が逃げるぅ、よーし、これなら………」
逃げるのは当たり前だ。わざわざ火に近付いて行く奴はいない。
杏里さんがしゃがみこんで何かを用意し始めた。何をする気だ?
「ごぉ、よん、さん、にぃ、いち、発射!」
ヒューという耳に響くような音を立てて何かがこちらに向かってきた。
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