花火、思い出の場所

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『裕くーん、こっちこっち』 『あー、杏里ちゃん!』 俺が散歩をしていると河原に杏里さんの姿が見えた。 特に用事のなかった俺は杏里さんの元へ駆け出した。 『杏里ちゃん何してるの?』 『うーんとね、遊んでるの』 今考えれば意味の分からない内容だったけどこの時の俺は無神経だった。 『それじゃ僕も一緒に遊んでいいかな?』 『うんっ、裕君なら大歓迎だよ』 杏里さんと遊ぶという日常がどれほど楽しかったことか。 しかし悪魔は存在した。 『はろろーん、裕ちゃん』 『げっ、紫音ちゃん』 この頃の俺にとっての最大の敵、紫音。なぜか尻に引かれて勝てなかった。 『えへへ、今日は裕ちゃんと何して遊ぼうかなぁ?』 紫音と遊んでロクなことがあった例がない。 身の危険を感じた俺はその場から逃げ出した。
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