花火、思い出の場所

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『えぐ………ぐすっ』 『裕ちゃん、男の子は強くならなきゃダメなんだよ』 泣かせたのはどこのどいつだよ、と突っ込みたかったができるはずもなく、話を聞くだけだった。 俺は涙を拭う。 『よし、裕ちゃんも泣き終わったところで水鉄砲大会だぁ』 どこから取り出したのか全員に水鉄砲を配る紫音。 『紫音ちゃん、これは?』 『ルールだよ。水はこの川で補給すること、岩場とかあるけど隠れるのもオッケー。水が当たったら負けだからね』 この時の俺は紫音に復讐をすると強く決意していた。 『楽しそうだね、早くやろうよ紫音』 『うん、それじゃみんなバラバラに散らばって。十秒後にスタートだからね』 十秒って短いんじゃないだろうか? とりあえず先に水を補給して岩場に隠れることにした。
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