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『し、紫音ちゃん、そそれは?』
ビビって舌が上手く回らない。
『えへっ、裕ちゃん用に用意しておいた秘密兵器なのだ』
どこからそんなものを取り出したんだ? はっきり言って勝てる見込みはゼロ。
俺は水鉄砲を投げ捨て全力で逃げ出す。
『また逃げた。待ちなさーい』
走っている途中杏里さんの表情が見えた。とても笑顔だった。
冗談抜きで助けてほしかった。紫音に追われるのが嫌で嫌で。
しかし紫音との距離はどんどん詰まっていった。
『発射!』
俺はよーく覚えている。あのバズーカの威力を。
その水圧は異常なほどの大きくて、体の小さな俺全身にかかった。
『………あっ』
急に速度が減少した俺はバランスを崩してその川に体を預けてしまった。
全身ずぶ濡れとなった。
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