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「裕君、どうしたのー?」
杏里さんが俺のポジションに座って名前を呼ぶ。
どうしたもこうしたもないです。俺が海へ直行したのは杏里さんの責任です。
その、なんだ。男だけの事情さ。
「杏里お姉さま、今日はあれと海に来たんですか?」
澪が俺を指差しながら杏里さんに尋ねている。俺は物扱いかよ。
「そうだよ。澪子ちゃんは一人だったの?」
「そうなんです、少しうろついてたらあれに捕まってしまって。ここまで連れて来られたわけです」
全然違うじゃねぇか。澪は一人で来たんじゃないし自分から勝手に着いて来ただけだ。
「ぶー、裕君いけないんだぁ」
「まったく、あれのしつけには困ったものがありますね」
澪と意気投合しないでください。なんだか敵が増えたように思ってしまう。
ふっ、まだ自重していないみたいだぜ。
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