夏休み、海で一緒に

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「裕君、どうしたのー?」 杏里さんが俺のポジションに座って名前を呼ぶ。 どうしたもこうしたもないです。俺が海へ直行したのは杏里さんの責任です。 その、なんだ。男だけの事情さ。 「杏里お姉さま、今日はあれと海に来たんですか?」 澪が俺を指差しながら杏里さんに尋ねている。俺は物扱いかよ。 「そうだよ。澪子ちゃんは一人だったの?」 「そうなんです、少しうろついてたらあれに捕まってしまって。ここまで連れて来られたわけです」 全然違うじゃねぇか。澪は一人で来たんじゃないし自分から勝手に着いて来ただけだ。 「ぶー、裕君いけないんだぁ」 「まったく、あれのしつけには困ったものがありますね」 澪と意気投合しないでください。なんだか敵が増えたように思ってしまう。 ふっ、まだ自重していないみたいだぜ。
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