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両手にかき氷を持ってパラソルまで戻った。
俺は特に食べたいとは思ってなかったから二つしか買ってない。三つだとしたら持てないだろうけど。
これ、ただのパシリじゃないか。
「ほら澪」
「さんくす」
「杏里さんも」
「ごめんね裕君」
かき氷を渡すと二人は笑顔を見せた。よほど楽しみだったんだな。
その笑顔が見れるだけでも俺は満足だ。
「裕君、汗かいてるよ?」
杏里さんが俺を見ながら口を開く。
売店までダッシュだったしこの暑さだ。汗をかかない人間の方が不思議である。
「裕君、あーん」
突然杏里さんが俺の前にスプーンですくったかき氷を差し出した。
「そんな、悪いですよ」
「暑そうだよ、これを食べてちょっとでも涼んでよ」
しかし、これを食べてしまうと、杏里さんとかか間接っ。
「むぅ、早く口を開けなさい」
「あ、はい」
口を開けるとその中に冷たいかき氷が侵入してきた。
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