夏休み、海で一緒に

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「どう? 美味しい?」 かき氷を不味いと言う奴はまずいないだろう。 うん、普通のイチゴ味のかき氷だ。 「美味しいですよ」 「良かった、もっと食べていいよ」 「杏里さんの分が無くなっちゃいますよ」 「いいの、いいの」 杏里さんのかき氷なのに俺が食べてしまったら申し訳ない。話し合いの結果、もう一口だけ貰うことになった。 夏といえばかき氷だな。ひんやりしてとても涼しい。 横では澪が自分のかき氷をスプーンの上に乗せてそわそわしていた。 「お、おい!」 「澪、まだ残ってるぞ。食べないのか?」 「だっ、黙れ! 今から食べようと思ってたんだ」 不機嫌そうにかき氷を口に入れた。癪に触ったかな? 「ふふっ、澪子ちゃんかわいいね」 「なっ、杏里お姉さま!」 何かに気付いたのか笑顔を見せる杏里さんに顔が真っ赤の澪。 俺には何も分からない。
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