21717人が本棚に入れています
本棚に追加
「どう? 美味しい?」
かき氷を不味いと言う奴はまずいないだろう。
うん、普通のイチゴ味のかき氷だ。
「美味しいですよ」
「良かった、もっと食べていいよ」
「杏里さんの分が無くなっちゃいますよ」
「いいの、いいの」
杏里さんのかき氷なのに俺が食べてしまったら申し訳ない。話し合いの結果、もう一口だけ貰うことになった。
夏といえばかき氷だな。ひんやりしてとても涼しい。
横では澪が自分のかき氷をスプーンの上に乗せてそわそわしていた。
「お、おい!」
「澪、まだ残ってるぞ。食べないのか?」
「だっ、黙れ! 今から食べようと思ってたんだ」
不機嫌そうにかき氷を口に入れた。癪に触ったかな?
「ふふっ、澪子ちゃんかわいいね」
「なっ、杏里お姉さま!」
何かに気付いたのか笑顔を見せる杏里さんに顔が真っ赤の澪。
俺には何も分からない。
最初のコメントを投稿しよう!