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「みーおっ!」
「むっ、なんだよ」
俺が近付くとそっぽを向く。そんなに俺が嫌かよ。
「お前も泳げよ、せっかく海に来たんだしさ」
「うっ、うー」
低く唸り始めた。
「………ないんだよ」
「何?」
「泳げないんだよ、私は!」
顔を真っ赤にして砂を投げてくる。意味が分からない。
「泳げないのにわざわざ来たのか?」
「うるさい、お前が一緒に来たいって言うから仕方なく来てやったんだよっ!」
そんなこと一言も言ってないですけど。
「それなら、俺が泳ぎ方を教えてやろうか?」
「お前がか?」
「ああ、一応人並みには泳げるし。コツさえ掴めば泳ぎなんて簡単だからさ」
澪は少し考える。こいつ俺に対してかなりキツイし断るかも。
「………仕方ない、教わってやる。別に私が泳ぎたいわけじゃないんだからな」
そう言うと着ていたティーシャツを脱いだ。
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