夏休み、海で一緒に

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俺の目の前にはなだらかな平地があった。 水着を着ているはずなのに女のあるべきものがないんだよな、これが。 「だから私をジロジロ見るな!」 見るなと言われても見てしまいますよ。これまでペタペタなのは……… そういえば紫音もペタペタだったか。最近の女の子は発育が遅いのかね? 「とりあえず海に入るか、着いて来い」 澪は一回頷くと黙って俺に着いて来た。 まずは深さが膝くらいまでの場所で質問する。 「澪、せっかくだから目標を立てよう。そうすれば進歩した時に嬉しいものになるからな」 澪は考え出した。どんな答えが返ってくるか楽しみだ。 「クロールだ」 「クロール?」 「そうだ、私は夢のようなクロールで水の中を優雅に泳ぎたい」 「それじゃ決まりだ、奥に来るんだ」 さらに深い所へ足を動かす。
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