夏休み、海で一緒に

24/31
前へ
/526ページ
次へ
澪は一人で泳げないことがよーく分かったので、深くないなるべく浅い場所で澪の手を引っ張って進むことにした。 「ぜ、絶対離すんじゃないぞ!」 「離さないから。早くバタ足をしな」 ゆっくりとバタ足を始める。かなり強くしてるのか先ほどとは違い水が散り乱れている。 水の中に顔を浸けることができないのか、俺をじっと見ながら泳いでいる。 「顔浸けないと泳げないんだけどさ」 「いいんだ、私は顔を上げたまま泳ぐコツを編み出す」 なんのこっちゃ。まあ澪が泳げればそれでいいか。 「バタ足をすればいいんだね、うりゃー」 横では杏里さんが必死にバタ足をしている。なぜ全然進んでないんだろう。 このやりとりを結構繰り返した。進歩してればいいけど。 「おい、休もう」 「分かったよ」 澪を連れて一旦浜へ戻った。
/526ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21717人が本棚に入れています
本棚に追加