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「にゃはははは、沖に進出だー!」
杏里さんはひたすらバタ足でそこら辺を泳ぎ回っている。
沖に行くのか。溺れなかったらいいけど。
「なぁ、話があるんだ」
「どうした、澪?」
一直線に俺を見る。何か決意があるような目だ。
「たこ焼き、食べたくないか?」
「………はぁ?」
たこ焼きだと?
「いいだろ、たこ焼き大好きなんだ」
そこまで本気で言われても。なんて返したらいいのやら。
「それで? またジャンケンしようとか言うんじゃないだろうな?」
「ジャンケンしよう」
この女………
「ジャンケンしなくてもいいんだぞ。お前が買ってきてくれれば半分だけくれてやるよ」
「パシリはごめんだ、三度目の正直、次は勝たせてもらうぜ」
「ふっ、どうだか」
こんなクソガキにこれ以上ナメられるわけにはいかん。勝たねば。
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