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「………まさか!」
「おい、どうしたんだ?」
浮き輪を持っていたからあんなことはないはず。でも杏里さんの周りに浮き輪はない。
「しまった!」
「何があったんだ?」
「あの様子から杏里さんは溺れている」
迂濶だった。いつの間にあんな所まで行ってたんだ。
「助けに行かなきゃ」
「ダメだ、澪は行くな」
海へ向かおうとする澪を引き止めた。
「どうしてだ、杏里お姉さまを助けないと」
「お前は泳げないだろ、行けたとしても一緒に溺れる危険性がある」
こんなことを言ってる暇はない。
「俺が行ってくる、澪は黙ってここで待ってろ」
「っ! 私も行く、これは命令だ」
「命令なんて聞いてられるか、急ぐんだよ」
俺は溺れている杏里さんの所へ泳ぎ出した。
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