夏休み、海で一緒に

27/31
前へ
/526ページ
次へ
「………まさか!」 「おい、どうしたんだ?」 浮き輪を持っていたからあんなことはないはず。でも杏里さんの周りに浮き輪はない。 「しまった!」 「何があったんだ?」 「あの様子から杏里さんは溺れている」 迂濶だった。いつの間にあんな所まで行ってたんだ。 「助けに行かなきゃ」 「ダメだ、澪は行くな」 海へ向かおうとする澪を引き止めた。 「どうしてだ、杏里お姉さまを助けないと」 「お前は泳げないだろ、行けたとしても一緒に溺れる危険性がある」 こんなことを言ってる暇はない。 「俺が行ってくる、澪は黙ってここで待ってろ」 「っ! 私も行く、これは命令だ」 「命令なんて聞いてられるか、急ぐんだよ」 俺は溺れている杏里さんの所へ泳ぎ出した。
/526ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21717人が本棚に入れています
本棚に追加