夏休み、海で一緒に

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なぜ杏里さんが溺れたのかは全く分からないけど今は助ける方が先決だ。 幸い波がほとんどないためそこまで苦しむことはないと思う。 意地のクロールで杏里さんの近くまで来た。 「杏里さん! 大丈夫ですか!?」 ひたすら暴れている。聞こえるわけないわな。 納得してる場合じゃない。早く助けなければ。 「杏里さん、杏里さん!」 「がぼっ、ひゅっ、ひゅう君?」 杏里さんの手を掴むと俺に気付いたようだ。良かった、大丈夫だったみたいだ。 「杏里さん、俺から絶対に離れないでくださいよ」 「………うん」 手を掴みながら浜まで泳ぐ。たまに杏里さんが力尽きてしまうこともあるけどその時はがっちり体をホールド。 柔らかい感触が手に伝わったけど、この際は気にしたらダメと思った。 そして無事に浜まで帰ってきた。
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