夏休み、海で一緒に

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「はぁはぁ、杏里さん?」 「ふぅ、裕君ありがとう」 杏里さんはにっこり笑顔だった。よかった、無事だったみたいだ。 「杏里お姉さま、大丈夫ですか?」 「澪子ちゃん………心配してくれてありがとね」 それにしてもこんな所で溺れるとは。浮き輪もあったはずだし。 「なぜ溺れたんです? 浮き輪もどこに行ったんですか?」 「それがね、いきなり空気が抜けちゃってさ。同時に足が攣っちゃったんだねぇ」 のんびり言わないでください。一大事じゃないですか。 しかし浮き輪から空気が抜けるなんて。初めから穴でも空いてたのか? 「よーし、杏里お姉さまの復活のお祝いに海の家でラーメンを食べようっ!」 「澪、お前まだ食べるのかよ」 「当然お前の奢りだ。杏里お姉さまも行きましょう」 「そうだね。溺れてたらお腹すいちゃったし」 どんな胃袋してるんだよ。
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