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この人達の食欲には脱帽だ。全然遠慮をしない。
「ラーメン大盛りで」
「僕もカレー大盛りお願いします」
なぜそんなにウキウキ気分なんだ? 俺は全く楽しくない。
「裕君はどうする?」
「あっ、俺はいいです、腹減ってないですから」
気が落ちると食欲も無くなるってもんだろ。澪も自由奔放な奴だ。
それでも杏里さんが助かってよかった。何かあったら大変だった。
杏里さんは紫音のお姉さんでもあり俺のお姉さんでもある。複雑だが俺の中ではそうなっている。
いつもお世話になっていた。昔も、そして今も。
杏里さんを守っていくのは俺だけだから。
「お前、さっきからニヤニヤしてて気持ち悪いぞ? 何を企んでるんだ?」
「裕君、このカレー食べる? あーん」
恥じらいのひとつくらい持ってほしいものだ。
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