衝撃、杏里のお泊まり

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「お邪魔しますっ!」 「えっと、どうリアクションをすれば?」 夕暮れ時、辺りはオレンジ色に染まり暗くなりつつある中、玄関に一人の女の人が立っていた。 手には大きな鞄を持っている。 「あの、一から説明してくれませんか? 状況判断が困難な状態です」 「それは後で説明するからさ。今は入れてよ、ねっ裕君?」 いくらなんでもなぁ。連絡無しにいきなり来られても困ると言いますか。 この様子だと泊まりに来たように見える。さて、どうしたものか。 「あら、杏里ちゃんいらっしゃい」 「ご無沙汰してます、お母様。今日はお願いがあって来ました」 お願いか、泊まりについてか? 母さんに抗議してる模様。 「………よし、話は聞いたわ。オッケーよ」 「あっ、ありがとうございます」 母さんもつくづく人がいいよな。俺にはひどいけど。
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