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「裕君、朝だよぉ」
俺は瞼を開いた。目の前には天井ではなく杏里さんが顔を覗かせていた。
なんだ、寝てたのか。やはりベッドの上に乗ってしまうと気付かない内に寝てしまう。
「………って朝なんですか!?」
時計を見ると七時を指していた。ということは俺は半日以上も眠っていたことになる。
しまった、貴重な夏休みの一日を無駄に使ってしまったではないか。
「うっそだよぉん、七時は七時でも夜の七時だからね」
杏里さんは笑顔を絶やさない。確かに外は薄暗くなってきている。
「裕君、ご飯できたから早く食べに来てね」
杏里さんは部屋から去って行った。まさかの嘘だ、俺も驚きだよ。
ちょうど腹の虫も暴れ出してきたしいいタイミングかもしれない。
早く向かおう。
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