衝撃、杏里のお泊まり

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野菜好きの人からすればこのおかずは絶品であるに違いない。少し変わった味付けだ。 深く味わいながら噛み締める。この食感が……… 「裕君、食が進んでないみたいだけど、お口に合わなかったかな?」 横では杏里さんの困惑した表情が見られた。さて、これには困った。 さすがに不味いなんて言えるはずがない。言ってしまうと杏里さんの好意を踏みにじることになるだろう。 野菜が嫌いって先に言っておけば良かったかなぁ? 「そんなことないです、美味しいですよ」 おそらく俺の顔はこれでもかというくらい引きつっているに違いない。 「美味しいのね、それならたくさん食べれるよね裕大?」 「お母様、僕達も食べてしまいましょう」 「それもそうね。裕大、残 さ ず 食べなさいね」 別に強調する必要はないと思う。俺は逃げれないのだから。 俺の地獄は続く。
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