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「ななな、何て格好を!」
「どうしちゃったの裕君?」
体を起こして俺に迫り、色っぽく首を傾げた。むらむらとした誘惑が俺を襲う。
本人は意識してないだろうが杏里さんの見せる動作ひとつひとつが興奮させる。
真っ白でか弱く汚れを知らない手足、無駄な脂肪は一切ないこの体つき、透き通るような瞳に薄い桃色で微妙な輝きを見せる唇、そしてこの屈託のない笑顔。
どれもこれも完璧すぎてもはや俺の手には負えないって言うか………俺何を言ってんだろ?
「と、とにかく、せめてズボンくらい履いてください。貸しますから」
「えー? 僕はいっつもこれで夜は過ごしてるんだけどなぁ」
幼児が欲しい物を見つけた時の、あの無邪気な表情で俺を見つめる。
「俺の家にいる間は上下ちゃんと着てくださいね。今から渡しますよ」
杏里さんがどうのこうのより俺が崩壊させられるような心持ちがしてならない。
俺はすっと立ち上がった。
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