衝撃、杏里のお泊まり

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次の瞬間、俺の背中にふんわりしたものが触れた。 杏里さんが俺の腹辺りに腕を回して抱きついていたのだった。 「杏里さん、なな、何を!?」 当然のごとく困惑する。脳の回路も全く機能しない。思いがけないことにすぐに対応出来ない。 「しばらくこのままでいさせて?」 自然と腹辺りに回している腕に力がこもる。 「えっと、分かりました」 「ありがとう………」 わずかながら背中に吐息がかかる。杏里さんは顔を近付けているのだろう。 どうしてか俺には杏里さんが寂しそうに見えた。 これと言った根拠はないけれど何かが違った。 いくつもの壁にぶち当たってくじけそうになっても救いの手を伸ばしてくれる人は必ずいる。 杏里さんがこのような状況に陥ってしまったら助けてあげるのは俺しかいない。 俺が杏里さんを守るんだ。 一人のお姉さんとして。
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