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変な夢だ。
薄桃色の雰囲気が視界全体を覆う。周りには何もない、存在するのはおそらく俺一人。
こんな所にいる理由、今まで見たことのない異様な空間。何ひとつ分からない。
おもむろに手を伸ばす。そこには何もないのにどこか柔らかかった。
病み付きになるような感触だった。これは何だろう? ふにふにしてるし若干暖かい。
そして鼻に伝わるこの香り。寝る前に味わったあれと一緒だ。
匂いが一緒? もしかして………
幻想的な空間が崩れ落ちて俺の目の前に広がった光景は、とろけた表情で規則正しい寝息を立てた杏里さんだった。
なぜ横にいる? 降りたはずじゃなかったのか?
ということはさっきまで柔らかかったあの感触は杏里さんの体? 無意識とはいえ触れてしまった。
オーノー!
ベッドから飛び降りて驚愕した。
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