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「ちょちょ、なんでいるんですか!?」
本当に眠っているのか目は閉じたまま。しかしパチッと目が開いた。
「実は一度起こされた時に目が覚めちゃってね。それにプラスして裕君の布団がとても気持ち良かったからさ」
杏里さんは天使のような笑みで言った。
「起こしちゃったのはすみません。でもここで寝たいなら一言言ってくれれば俺は下で寝たのに」
「それじゃダメなんだよ」
急に表情が一変、寂しそうなものになった。
何かを思い詰めているかのような表情だった。
「だからさ、裕君、もう一度寝ようよ」
微妙に体を起こしてベッドをポンポンと叩いている。一緒に寝ろと?
だがしかし、また杏里さんにあんな失礼なことをしてしまうと申し訳ない。
しないために杏里さんには背を向けて寝ればいいのか?
「分かりました、お邪魔します」
俺のベッドなのに泊まりに行った感じがした。
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