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「また負けたー!」
「お疲れ様です」
こんなことを繰り返している内に時計は十二時を指した。俺達ってつくづく暇人だな。
「裕君、もう一回やろ?」
「もう一回が十回くらい続いてますよ。負けを認めたらどうですか?」
「うー、勝ちたいよぉ」
この大富豪、杏里さんに朝叩き起こされてずっと行っているから回数を数えるとかなり多い。決まって杏里さんの『もう一回』がついてくる。
負けず嫌いが発揮されてるみたいだ。
すると何を思ったか元気よく腹の虫が鳴った。
「もうそんな時間か、お昼ご飯の時間だね」
「すみませんね、朝飯無しだとここまでが限界みたいです」
「謝ることないよ、僕が裕君のためにお昼をたくさん作ってあげる。茄子とかどうかな?」
やめてください。
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