訪問、琉李子さん家

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とりあえず杏里さんを一旦部屋から出して私服に着替えた。 俺には私服があまりないからファッションの楽しみはない。面白くない男だ。 普段は制服で過ごすからな。逆に私服より制服の方が落ち着くかもしれない。 「お待たせしました」 「オッケー、琉李子の家へ出発だよ」 琉李子さんの家か、なら澪もいるんだよな。あー、何か起こりそうな気がする。 「杏里さんは琉李子さんの家が分かるんですか?」 「分かるよ、でも琉李子の家はここから少し遠いの。だからこれで行くのだ」 玄関の外に置いてあった一台の自転車。 「杏里さんが後ろに乗って俺が漕ぐ。二人乗りってわけですね」 「よく分かってるね裕君」 そもそもどこから現れたんだ、この自転車は? 「了解です、道案内よろしくお願いしますよ」 「出発しんこー!」 杏里さんを後ろに乗せて自転車は動き出した。
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