21717人が本棚に入れています
本棚に追加
とりあえず杏里さんを一旦部屋から出して私服に着替えた。
俺には私服があまりないからファッションの楽しみはない。面白くない男だ。
普段は制服で過ごすからな。逆に私服より制服の方が落ち着くかもしれない。
「お待たせしました」
「オッケー、琉李子の家へ出発だよ」
琉李子さんの家か、なら澪もいるんだよな。あー、何か起こりそうな気がする。
「杏里さんは琉李子さんの家が分かるんですか?」
「分かるよ、でも琉李子の家はここから少し遠いの。だからこれで行くのだ」
玄関の外に置いてあった一台の自転車。
「杏里さんが後ろに乗って俺が漕ぐ。二人乗りってわけですね」
「よく分かってるね裕君」
そもそもどこから現れたんだ、この自転車は?
「了解です、道案内よろしくお願いしますよ」
「出発しんこー!」
杏里さんを後ろに乗せて自転車は動き出した。
最初のコメントを投稿しよう!