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今度は右ばかりでなく左もおり混ぜて突き進んでいく。
見知らぬ地に足を踏み入れた様子で頼りになるのは杏里さんの誘導だけ。しかしどこか頼りない。
建物の数は俺の住んでる所とさほど変わりはないがどこか懐かしい雰囲気を感じる。
昔の平凡な景色がそのままここに移されているようだ。
「ストップ、ここが琉李子のお家だよ」
俺はブレーキをかけて家を見た。とても綺麗な建築物だった。
まだ家を建てて一年も経ってないように思われる。家が輝きを放ってるかのようだ。
杏里さんが自転車から降りてインターホンを押した。中から慌ただしい音が聞こえ、ドアが開いた。
「来てくれたんだな杏里」
「当然だよ、今日は裕君というおまけ特典も付いてるよ」
「ははっ、男の子を家に入れるのは久しぶりだから緊張するなぁ」
琉李子さんは顔を赤く染めて頬をかく。
杏里さん、俺はおまけですか。
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