訪問、琉李子さん家

11/21
前へ
/526ページ
次へ
「まぁいいや、入って入って」 琉李子さんに吸い込まれるかのように俺はお邪魔させてもらった。 廊下や周りの真っ白な壁も新築そのものだ。俺の家とは次元が違うくらいだ。 「少年はここに座って休んでてくれ、杏里はちょっと着いてきてよ」 「用事ってなぁに?」 俺が連れてこられた場所はリビング、三人くらい並んで座れそうな大きなソファーに案内された。 杏里さんは琉李子さんの後を追ってどこかに行ってしまった。ここに一人取り残された俺。 ちょっぴり寂しい感じがする。可哀想な男だよな、俺って。 花瓶に入った綺麗な花、毎日掃除されているように整理整頓がなっており、女の子らしいぬいぐるみがちらほら置いてある。 ああ見えても琉李子さんも女の子ってことだ。男の子っぽい所も少しはあるけど。 そういえばここにはもう一人女がいたっけ。
/526ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21717人が本棚に入れています
本棚に追加