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辺りを見回してみても誰もいない。探索してみようかと思うけどそれはやめた方がいいな。
案外この大きなソファーでゆっくりするのもいいかもしれない。
「よっ」
背後の声に一瞬体を震わせた。やはりいたのか。
「おす、お邪魔してるぞ。澪」
「今日はどうしたんだ? 私に何か用か?」
澪の服装はグレー一色でコーティングされているパジャマだ。寝起きということか?
寝起きにしては遅すぎる。もはや昼は回っているぞ。
「いや、今日は杏里さんの付き添いってところだ。ただチャリを漕いで杏里さんをここまで連れてきただけだ」
「あっ………そうなのか」
珍しくしょぼくれた声で澪は返事をした。
「なんだ、暇そうだな。なんなら俺が一緒に遊んでやってもいいんだぜ。トランプで」
「そんな子供みたいな遊び、出来るか」
いつもの強い調子で返された。お前も十分子供だよ。
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