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「それより、澪、そろそろ俺を下僕とかお前とかじゃなくて名前で呼んでくれよ」
「んなっ、いきなり何を!?」
「やっぱそっちの方が定着してるっていうかさ。お前とか言われてもいい気はしないだろ?」
澪の顔に朱がさした。うつむき加減ではあるがチラチラと俺を何度も見てくる。
「えと………なんて呼べば?」
「なんでも。名字でも名前でもどんとこい」
澪は目を瞑り何かを堪えるかのように体を小刻みに震わせた。
「………無理だ、私には出来ない」
「澪に名前で呼ばれるの、ちょっと期待してたんだけどなぁ」
「うぅ、うるさいうるさいっ! なんと呼ぼうが私の勝手だ」
ソファーの橋に置いてあったピンク色の枕が顔面に当たった。
ふかふかで痛みなど感じなかったが。澪は何を怒ってるんだろう。
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