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「裕君、待たせてごめん………あっ、澪子ちゃんだ」
「ご無沙汰してます、杏里お姉さま」
澪は杏里さんに深く礼をした。どこでこんな切り替えが可能と言うのだ?
「すまなかったね少年、杏里も借りてさらに澪子の相手までしてもらうとは」
「いいんですよ琉李子さん」
杏里さんと同時に琉李子さんも戻ってきた。一段と賑やかになるだろう。
「みんな、よかったらトランプしない? 公平にババ抜きだよ」
杏里さんの提案に俺は賛成するつもりだ。別にすることも考えつかないし。
問題は澪だよな。子供みたいな遊びはしないって言ってたけど。
「いいね、私はやるよ」
「杏里お姉さまとトランプなんて光栄です。ババ抜きさせていただきます」
………あれ?
「裕君は?」
「と、当然しますよ。断るわけないじゃないですか」
「全員一致ということで。始めるよ」
杏里さんはかなりのハイテンションでトランプをシャッフルする。
澪って俺に対してひどいんだな。
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