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「あがったよぉ」
「遅いね、私はとっくに終わってるのにさ」
琉李子さんが勝ち誇ったような声で言った。
杏里さんも琉李子さんに続いて無事にあがり。残ったのは俺と澪だけになったのだが、
「うぅ………んっ！」
俺の残りのカードは一枚、対して澪は二枚。要するに澪はずっとババを所持していたということになる。
俺が取ろうとするとすぐ表情に出るから普通のカードを引くのは容易いことだ。
「澪、あがらせてもらう」
「ダメだ、お前にはあがらせな………」
見事ペアになって俺もあがり。敗者は澪となった。
「はっはっは、澪子ってこういう勝負事、昔から苦手だったよな」
「うぅ………」
「澪に勝った少年にはこれをあげよう」
「あ、ありがとうございます」
琉李子さんに渡されたのはただのオレンジジュース。美味いからいいか。
それにしても澪の沈みようは一体？
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