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「そろそろかな、杏里?」
「だろうね、行ってみようか」
杏里さんと琉李子さんは再び部屋を後にした。一体何をしているんだろう。
「おーい、澪」
俺の目の前にはババ抜き終了から魂が抜けたように動かない女の子が一人。
「澪?」
「………お前はひどい奴だな」
顔を上げて鋭い目線で睨んできた。
これは怒ってるんだろうか? いつもと変わらない顔だからよく分からない。
「お前には優しい気持ちがないのか? 私にひどすぎるんじゃないか?」
「澪、落ち着けって」
「確かに私はこんなのだけど、それでもあんまりじゃないのか? もういい、お前にはうんざりだ」
次の一言が俺の心に深く刺さった。
「どっかにいっちゃえっ!」
澪の声が部屋中にこだました。俺の頭にエコーのように何回も繰り返された。
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